生き続ける意味 **番外編**
建前……?どういうこと?
亮樹兄ちゃんは白衣を脱ぎながら言う。
「医者としてとりあえず言っといた、程度だってこと。
ほら、そう言っとかないともしも本当に再入院になっちゃったとき、大変だろ?」
っ……そ、そうなの。
だから、当然のように言ったの?
「桜ちゃん、だからそんなに気にしなくていいのよ?」
笑いながら言われた。
「っ!ほんとに心配したじゃん!冗談なら言わないでよ!」
顔がすこし熱い。
あたし、なにひとりで勘違いしてたんだろ。
「いや、冗談じゃないし、べつに本当のことだから。」
「亮樹兄ちゃんっ!」
あたしは亮樹兄ちゃんの背中をバシバシ叩いた。
亮樹兄ちゃんは痛そうに背中を擦ると、更衣室の方に歩いていった。