生き続ける意味 **番外編**




亮樹兄ちゃんの言葉に、少し心が落ち着いたのか、呼吸がしずらくなくなった。




「…亮樹兄ちゃん?あたし…あたしさ、」



ずっと胸の中に詰まってたものがあって聞こうとしたけど…



「ん?」



優しく笑いかける亮樹兄ちゃんの顔を見たら、言いづらくなっちゃって。




「…ううん、なんでもない。」



そう言って、うつむいた。


すると、亮樹兄ちゃんはあたしの体を起こすと、また顔をグイッと上げられた。



「ほーら、そういうことろだよ?桜は。」


すこし困ったような、笑ってるような顔をして、亮樹兄ちゃんが言った。



そういうことろ…?なにが…?



「言いたいことは言って?遠慮することなんてないよ。

言わないと、心で思ってるだけじゃ伝わらないんだよ?

桜は相手に遠慮して、言わないのかもしれないけどさ、俺だって桜の気持ち聞きたいんだよ。」



遠慮…しなくていいの?

あたし、遠慮もあるけど…怖いんだ。聞くのが。

もし…もし、あたし、嫌われたら…とか。


怖くて、たまらない。

…あたし、いつからこんなんになったんだろ。


「桜?どうした?」



「…亮樹兄ちゃん。

あたし、病気になって、いっぱい人に迷惑かけて、わがまま言って、それも長い期間。
退院しても…学校行っても、翔や実優…ううん、それだけじゃなくて、色んな人に迷惑かけてる。

それなのに、あたしはみんなになんにも出来なくて…ただ迷惑かけてるだけだもん。
そんなんだったら、あたしなんかいなくてもいいんじゃないかって思うっ…」




引っ込んでた涙が、またすぐ溢れてきた。


亮樹兄ちゃんはあたしの頭を撫でると、抱きかかえて、歩き出した。


えっ…?






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