生き続ける意味 **番外編**
〜亮樹side〜
「はぁっ……どこにいるんだよ…」
病院の敷地内を探し始めて、30分。
ヒカリちゃんはおろか、桜の姿すら見つからない。
1時間くらい前に、看護師からヒカリちゃんと桜の姿が見当たらないと連絡が来て、外来を終わらせてから急いで探した。
廊下に外された点滴がそのまま放置されているし、桜とヒカリちゃんのベッドは空。
…ふたり、一緒なのか?…一緒なのを願うけど…
病棟にはいない。外に出て、敷地内を一周したが、見当たらない。
「…外か?」
まさか……。本当にどこ行ったんだ…
不安がよぎる中、俺は病院の敷地内から出た。
桜は体力が低下してるし、よりによってこの寒い今日、外でさまよってるのは困る。
ヒカリちゃんは…正直、行くあてがわからない。だから、桜ちゃんと一緒にいてくれるといいんだけど。
勘しか頼るものがなくて、ひたすら走る。
桜…どこ行ったんだよ。
昨日の桜は、情緒不安定だったから……余計に心配。
昨日、ちゃんと話したはずだったのに…桜、何を考えてるんだろう。
冷静に桜が行く場所を考えてるけど、本当は頭の中が心配でいっぱいいっぱいだった。
…心配過ぎて、怒りも消える。
前に病院を出て行った時は……危なかったから。また同じようなことしようと…?
…いや、そんなはず、ない。
自分に言い聞かせて、探し回ること20分。
遠くに2人の女の子の姿があった。
「…あれって」
あの服装……もしかして。
その時、一人の女の子がその場にバタッと倒れた。
反射的に、俺は駆け出してた。
「っ……さくらっ!」