生き続ける意味 **番外編**
3人とも、同じ制服。
クラスこそは違ったけど……実優とだけは同じだった。
だから、翔とは別のクラス。
10クラスもあるからね〜しかたないわけで。
まっ、寂しい…ちょっとは!だけど、あたしとしては、検診行けとか体調悪いとすぐに気づかれて亮樹兄ちゃんに知らせる翔とは、別のクラスになって、なんとなく安心する気がした。
「定期検診なの?桜。ちゃんと行くんだよ?」
実優もあたしの手をしっかり握って……さすがに、逃げはしないってば。
「まぁ行かないって行っても、俺が無理やり連れてくからいいんだけどな。」
クラス別でも、こんな風にうちのクラスに来られたら、もう意味ないか。
「んーっ!わかってるよ。あとで怒られるもん。」
「へぇー中学生の時よりか成長したな、お前。」
そう、ちゃんと学習したの。あたし。
「定期検診サボっても、その時はいいけど……あとで家で亮樹兄ちゃんに怒られるってことをね!
だから、サボるなんてしないもんねー!」
って、自分に言い聞かせてるけど。
実優はポカンと口を開けた。
「へ?い、今さら…」
「いいんだよ、実優。桜はこういうやつだから。」
ちょっ、ふたりで何話してんの……
し、翔!そのあきれた顔なに!
あたしは、二人を置いて学校の門から出た。