生き続ける意味 **番外編**
「ヒカリちゃんー!」
「どこにいるのー?」
看護師さんの声が、後ろから聞こえてきた。
すると、その女の子はハッと目を開いて、再び走り出した。
「あっ…ちょっ…!」
一瞬のことで、あたしは姿を見失ってしまった。
後ろから、看護師さんが何人かあらわれる。
「もう…ヒカリちゃん、どこに行ったのかしら…!」
ヒカリちゃん…?
も、もしかして!!
ハッとして、あの女の子が走っていった方を見たけど、もちろんいない。
看護師さんの声聞いたら、突然走り出したし…。
もしかしたらそうかも…。
「桜!おまたせ。」
走っていったことを言おうかと迷っていたら、後ろから亮樹兄ちゃんの声が聞こえた。
すっかり、私服な亮樹兄ちゃん。
こうやったら、もうあたしの"保護者"で。