生き続ける意味 **番外編**
家に帰ったあとも、やっぱり気になって。
夕飯は大好きなハンバーグだけど...なんか味気ないような。
目の前で一緒にご飯を食べてた亮樹兄ちゃんが、怪訝そうにあたしを見た。
「...桜、なんかあったの?」
一瞬、箸を持っていた手がピクッと動いた。
「...別に。なんでもないけど...」
うそです。なんでもあります。
けど、今さら言っても怒られそうで...
うーん。
「なんでもないけど?なに?」
あたしは首を振った。
「...あのさ、病院出るとき、茜さんが誰か脱走したーとか言ってたのね?」
パクッとハンバーグをほおばった。