生き続ける意味 **番外編**
「だって…だって、何か検査に異常があれば病院でって…。」
すると、亮樹兄ちゃんはあたしの頭をなでた。
「ごめん。そうだよね…言ったな。
だから不安で泣いてたんだもんな。」
じゃあ…違うの?
再発とかしたわけじゃ…。
あたしの目から、さっきとは違う涙がこぼれた。
胸がホッとして、力が抜けた。
「…びっくりした。良かったぁ…」
涙がポロポロ出て、亮樹兄ちゃんに抱きついた。
本当に安心した…。
あんな思い、もう二度としたくないもん。
絶対に、戻りたくないもん。
しばらく亮樹兄ちゃんに背中をトントンされて、ようやく落ち着いてきた。
亮樹兄ちゃんはあたしをベッドに座らすと、目の前の患者の椅子に座った。
「ごめんな、桜。ちゃんと言えばよかったな。」
いつになく悲しそうな顔。
あたしはうなずいた。