生き続ける意味 **番外編**
あたしは深呼吸して息を落ち着かせる。
「じゃあ…どうして病院に呼んだの?」
すると、亮樹兄ちゃんは苦笑い。
「この前、桜が脱走した子を見たって言ってたろ?」
あたしはうなずく。
検診の帰るとき、あたしと同い年くらいの子だよね?
「そう。その子、どこに向かったのかわかる?」
…へ?ど、どこって。
「そんなの、病院の外でしょ。っていうか、どうしてそんなこと言うの?」
亮樹兄ちゃんは腕を組んだ。
「いや、その子がまだ見つかってなくてさ…。」
まだって…もう一週間前のことだよ?
まだ見つかってないの?!
「それって…危ないじゃん。」