生き続ける意味 **番外編**
「えっ、ちょっとどうしたんだよ?」
あたしは亮樹兄ちゃんを、女の子の前に座らせた。
途端にびっくりした顔。
「ちょっ、誰この子?しかも、意識ない…。」
すぐにバッグから診察道具を取り出して、診察を始めた亮樹兄ちゃん。
さ、さすが。
聴診したりと、ひと通り終えたら、体温計を脇にはさんだ。
「これ…桜が?」
亮樹兄ちゃんが、カイロやらタオルやらを指さした。
あたしはうなずく。
「うん…。これくらいしか思い付かなくて。もっとこういう知識あったら良かったんだけど…。ごめんなさい。」
意識ないし…あたしがもっと出来ることがあったら。
すると、亮樹兄ちゃんは笑って頭をなでた。