生き続ける意味 **番外編**
あたしの意識が途切れる前に話したのが最後。
ケンカしたのが…最後。
胸の中に、モヤモヤが残ったまま。
あれから、ずっとモヤモヤがとけない。
あのとき、ちゃんと話して、ケンカしなきゃよかったとか、
亮樹兄ちゃんに晴ちゃんが危ないって言われた時、すぐに会いに行けば間に合ってたのに、とか。
後悔ばっかだよ…晴ちゃん。
あたしは治ったのに。晴ちゃんは…。
ぎゅっとこぶしを握った。
運命って残酷だ。晴ちゃんだって、あたしだって、同じくらい大変だった。
…いや、晴ちゃんの方が大変だったよね。
自分は治らない病気だって分かっておきながら、何ともないかのように振舞ったり。
周りから、大丈夫じゃないのはわかってるのに、”大丈夫だよ”って言われたり…。
それなのに、あたしのために千羽鶴作ったり…。
晴ちゃん、いったいどんな気持ちで千羽鶴を作ってたの?
自分のことは治らないってわかってて、あたしが治るように願って…。
そんなのっ…あたしはできないよ…。
どれだけ苦しくて、どれだけ孤独だったんだろう…。