生き続ける意味 **番外編**
久しぶりに、入院していた時の景色を思い出して、目がじわっと熱くなった。
あたしは首を振る。
だめっ…だめだ。今は泣かない!
泣いちゃ…だめ。晴ちゃんの方がよっぽど辛かった。
あたしは、今から晴ちゃんに会いに行くんだから。
久しぶりに会うんだから、泣き顔なんてだめだ…。
手の甲でゴシゴシと拭うと、無理やり笑顔を作った。
「晴ちゃん…会いに行くからね。」
住宅街に入り、地図通りに向かうと、左側に”中川”っていう表札があった。
ここだっ…!!
大きい。レンガで囲まれていて、中には木やお花がいっぱい。
飛び上がる心臓を抑えて、インターホンを押した。
しばらくすると、”はーい”という女の人の声がして、ドアが開いた。