生き続ける意味 **番外編**
うぅっ……
そんなこと言われると、言い返せなくなっちゃう。
だって、それは…ホントのことだし。
あたし自身も大変な思いしたわけで。
「そうだけどさぁ……。
んー行きたくない。嫌だよぉ…」
例によって、なかなか素直になれずに意地を張ってしまう。
なんでかって……一年前の、あの再発を宣告されたあの日を思い出してしまうのもあるからで。
しゃがみ込むと、大きなため息をつかれて、腕をグイッと持ち上げられた。
そして、ぽんっと背中を押された。
「はい、いってらっしゃーい。」
心のモヤモヤはなくならないけど、しぶしぶ歩き始めた。
雪の粒が手のひらや鼻にヒタっとついて、冷たい。
「桜ーがんばって!!」
後ろを振り返ると、実優が笑って手を振っていた。
翔も軽く手を振った。
あたしは実優に大きく手をふりかえすと、翔にはべーっとあっかんべーをした。