生き続ける意味 **番外編**
お母さんは、台所に掛かっているタオルで手を拭きながらニコッと笑った。
「あらあら、こんにちは!桜ちゃん!」
あ、晴ちゃんが亡くなった時、駆けつけた…。
だから、あのとき1回会ってるんだ。
「こんにちは。お邪魔してます。」
笑う顔は、どこか悲しそうで…。
そりゃそうだよね。…そうだよ。
だって、晴ちゃんがいなくなって、そんなに日が経ってない。
なのに…あたしが、ここにいていいのかっていう気持ちはあるけど。
あたしは、晴ちゃんのお母さんの目を見て言った。
「お忙しい中、すみません。私、退院してからずっと晴ちゃんのことが気になっていて…。
晴ちゃんに会いに来ました。」