生き続ける意味 **番外編**
病院に着いた頃には、大粒の雪が視界が、かすんでしまうくらいに降っていた。
や、やばい。
手足が寒すぎる。凍っちゃいそう…、
病院に入りたくないけど、ここまで寒いと、入らないと死んじゃうよ…
しかたなく病院に入ると、
なつかしい景色。なつかしいにおい。
鼻にツンとつく消毒液のにおい。
バタバタとせわしなく待合室に行ったり来たりするナースさん。
とりあえず、コートについた雪を落とすと、受付に行った。
「あの。5時半から予約した千崎 桜ですが…」
受付の人は、なにか書類を書くとにっこりと笑った。
「わかりました。それでは待合室でおまちください。」
椅子に座ると、ふぅと息を吐いた。
心臓がドキドキする。
今日は、採血とか軽く内科検診的なやつとか。もう、あとは考えたくない。
いつ呼ばれるかわからない恐怖と闘いながら、必死で心を落ち着かせようとする。
そのとき、頭にあったかい手が乗った。