生き続ける意味 **番外編**
「はぁっ………やめっ…てよっ……」
ヒカリちゃんは息を切らしながら、そでもあたしから離れようと、手を振りまわす。
「だめっ!病院行こう?この前、ヒカリちゃん危なかったんだよ?
せっかく病院行って助かったのに…また抜け出しちゃったら、今度こそ……」
すると、ヒカリちゃんは、さっきまで振り回していた手を止め、あたしを見た。
「…もしかして…あなたなの。私、意識が途切れた後、次に目が覚めたのは病院だったのは…あなたが運んだの?」
声を荒らげて、言った。
あたしはうなずく。
「そうだよ。たまたまあたしの家の前で倒れてたから、病院に…」
「やめてよっ…」
あたしの言葉を遮って、ヒカリちゃんの苦しそうな声が聞こえてきた。
実優が目を見開く。
「なんで、私を助けたのっ?!そのまま気づかなかったらよかったのに!
…そのまま、死んじゃえばよかったのに…」
えっ……?
あたしは思わず、つかんでいた腕を離した。
ヒカリちゃんは、今もなお息切れが続いている。
そのヒカリちゃんの目は、初めて会った時と同じ目をしていた。
うまく言葉に、表せないけど……あたしにはわかる。
目の奥底に、失望とか不安とか…そんなのがたくさん混じった感じな…
あたしたちの会話を聞いていた実優が、すこし怒ったような顔。
「ヒカリちゃん…だっけ。さっきから桜に何言ってるの?
桜に助けてもらったんでしょ…?だったら、ちゃんと病院に…」
「み、実優、ありがとう。大丈夫だよ?」