生き続ける意味 **番外編**
ヒートアップしそうだった実優をあわてて止めた。
実優は納得いってないみたいだけど…。
あたしは……ヒカリちゃんの気持ち、わかるから。
あたしが病気だったときも、治療とか嫌でよく抜け出したいとか思ってたから…。
だけど、戻らなくちゃ行けないのは本当のことで。
「ヒカリちゃん…一緒に病院戻ろう?きっと、看護師さんやお医者さんが心配してるよ。」
そう言うと、ヒカリちゃんはさっきとは全然違った、キッと鋭い目つきになった。
「心配なんかっ…するわけないじゃない!
私は…生きてる意味なんか、ない…!苦しいだけ!だから、死んじゃった方が……」
そこまで言うと、がくっと膝から崩れ落ちた。
そのまま、倒れてしまった。
「えっ?ちょっと、大丈夫?!」
あわててヒカリちゃんに寄る実優。
けど、あたしは立ちつくしたまんまだった。
生きてる意味なんか、ない。
死んじゃった方が…
あたしの胸の底が、ドキリと大きく波打った。
いつか、あの時を、思い出してきた…。
痛いほど、鮮明に。
入院していた頃…治療しても、なかなか治らなかった時…。
こんな気持ちだった。
「桜…?」
立ちつくしているあたしに、不思議そうに声をかける実優。
あたしは、実優の声にハッとして、ヒカリちゃんのもとに駆け寄った。