生き続ける意味 **番外編**







「来てくれるって!近くにあるみたいだから、すぐ!」




よかった…。


実優は、心配そうにヒカリちゃんの方を見ている。




「桜…大丈夫かな?体、そうとう冷たいけど…」





そう。凍ってるんじゃないかってくらい、冷たいの。



けど…





「たぶん…この前よりか冷たくないから…大丈夫なはず。」






うん、たぶん。


けど、急がなきゃいけないのは変わりない。



あたしが言うと、実優は目を丸くしてあたしをみる。





えぇ…実優、なんでそんなに、じろじろと…。




「だって、かっこいいなって…。

さっきだって、とっさの事なのに、すぐ救急車呼べとか……今は、大丈夫って言ったりとか…なんか桜、お医者さんみたいだ!」





そう言って笑っていた。





っ…あたしが、お医者さんって…!



いやいや!そんなわけないし!





「危ないって思ったから、救急車呼んでって言っただけだし…

今のだって、この前と比べただけだし…。」




実優は首をかしげた。





「けど、すごかった。わたしには、あんな判断とっさにできないもん。

絶対に、どうすればいいか迷ってとりあえず学校の先生呼びに戻ってたかも。」




あ…その手もあったか。

けど、学校から結構離れちゃったし。





「うん!だから、桜すごい!ほんとうにお医者さんみたいだった!」



ほんとに、大したことないのに…。



なんて思いながら、心のどこかで、なぜか込み上げてくるドキドキを隠せなかった。
















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