生き続ける意味 **番外編**
「そうだね。桜ちゃんとお友達が一緒に連れてきてくれたんだよね?ありがとう。」
さっきまであたしの隣で、目をぱちくりさして、あたしたちの会話を聞いていた実優が会釈をした。
「それで…ヒカリちゃんなんだけどね。
かなり衰弱しちゃってたけど…状態が危険ってわけじゃないから大丈夫だよ。」
ほ、ほんとに?よかった…!
心の底から安心して、思わず力が抜けた。
それは実優も同じだったらしく、固かった表情がゆるんだ。
「よかったです…。ほんとに。
それで…ヒカリちゃん、このまま入院ですよね…」
佑真先生はゆっくりうなずいた。
「そうなるな。本当にありがとうね、ふたりとも。
また脱走して…ほんとに迷惑かけたな。」
あたしたちは首を振った。
けど…うん?今の言い方だと、まるで佑真先生がヒカリちゃんの…。
佑真先生は苦笑いして、うなずいた。
「主治医だよ。ヒカリちゃんの主治医。」
ええっ…!そ、そうだったんだ…。
だから、亮樹兄ちゃんもヒカリちゃんのことよく知ってたわけね…。
ふたり、同僚だもんね。
「あの…ヒナは、元気ですか?」
「あ、ヒナね。ヒナは今一時帰宅中なんだよ。」
一時帰宅?ってことは…。
佑真先生は、肩をくすめながら笑った。