生き続ける意味 **番外編**
「順調に治療が進んで、良くなってきてるよ。
もう、最近は元気すぎるくらいで、検査の時暴れるのを抑えるのが大変なくらい。」
ふふっ、ヒナらしいな。
そっかぁ…良くなってきてるんだ。
また、心があったまった。
「あの…桜?わたしそろそろ帰ろっかな。」
そわそわしていた実優が、言った。
「あっ、ごめん!実優…つい話し込んじゃって。」
そうだよね。あたしたちの会話に、実優はついてこられないから…。
あたしもたちあがった。
「じゃーあたしも帰ります!じゃあ、ありがとうございました、佑真先生!」
ぺこりとお辞儀をしようとすると、佑真先生があたしの肩に手を置いた。
「ちょっと待って。あと、すこしだけ…お願いがあるんだけど。」
…おねがい…?
佑真先生の真剣な目に、思わずうなずいて、その「お願い」を聞いた。