生き続ける意味 **番外編**
* 記憶の果て
それは……もう8年くらい前の話。
当時、あたしは小学校2年生くらいだったかな?
その頃のあたしには…親がいなかった。
施設での生活だった。
そんなときだよね、亮樹兄ちゃんと出会ったのは…。
そして、あたしも亮樹兄ちゃんと出会ったばかりの時は…本当に反抗ばっかりしていた。
これは、小さい頃の記憶……
「大丈夫?」
真っ暗闇の中、誰かがあたしに手を差し伸べた。
あたしは、真っ暗闇の中、寒くて、怖くて…泣き出しそうになっていた。
けど、必死でこらえていた。
だって…施設の人に、見つかっちゃうから。
…あたしは、嫌だったんだ。
自分が住んでいる施設が、嫌いだった。
あたしがお世話になっていた施設は、大型で、たっくさんの子どもがいた。
だから、友達もいたし、ふつうに楽しかった。
…けど。ある日突然思っちゃって。
なんで、学校の友達は、自分だけのお母さんやお父さんがいるのに、あたしにはいないんだろうって…。