めはくちほどに
その後、夕飯をみんなでとり、副社長の買って来てくれたケーキを食べながら話をした。
「副社長さんはマンションで一人暮らしなんですかー?」
葉苗の問に嫌な顔せず答える。
「そう。殆ど眠る為に帰ってるけどね。あと、副社長さんじゃなくて良いよ、名前で」
「鷹村さん?」
「うん、葉苗ちゃん」
そのスマイルに「きゃー」と顔を隠す葉苗。星子はそれに呆れた顔をしている。
海都は少しこちらを見て、何か言いたい顔をしていた。
あとで聞くよ、と肩を竦めてみせる。
お茶を飲んだ後、そう遅くならないうちに副社長は家を出た。
近くのコインパーキングまで私はついていった。