めはくちほどに
いるだけで家の中を明るくする人だ。そして、なんといっても美人。
「こんばんは、初めまして。鷹村慎です。紺野家の皆さんにはお世話になってます」
「本当男前ですね」
「霞さんも美人だね」
「どうしよう、男前に美人って言われちゃった」
ね! と隣にいる海都を肘で付くお姉ちゃん。痛い……と小さく呟いて、海都は静かに立ち上がってそこから抜けた。女家族に男一人は大変だ。
星子は部屋に籠っている。勉強をしているのだろう。あの子はあまりお姉ちゃんと馬が合わない。
「副社長、座ってください。すぐに焼くので」
海都がホットプレートを上の戸棚からおろしてくれる。