めはくちほどに
静かに、笑った。
私は、もっと話がしたいと思った。話をするべきだ。
この人に、色んな話を聞いてもらいたい。
「副社長、私、好きです」
「うん」
「副社長と、ずっと一緒に居たい」
「居ようよ」
死が二人を分かつまで?
いや、死んでも一緒にいたい。
母の気持ちが少し分かった。
きっと、今の私と同じだったのだ。
死んでも一緒に居たいと思った人と一緒に、死んだ。
「飽きるくらい、一緒に居よう。きっと飽きないと思うけど」
「わかんないじゃないですか。副社長、お姉ちゃんのことが好きになるかもしれないし」