めはくちほどに
うるうるとし始めた顔を覗かれる。
「そんな顔してさ、今日僕が本当に霞さんに乗り換えたらどうなっちゃってたんだか。ひさちゃん、壊れそうだよ」
「良かったねって、言ってますよ」
ずっとそうして来たのだから。
そして、それを承知でお姉ちゃんは私の我が儘を聞いてくれる。
こんな良いお姉ちゃんは、世界のどこを探してもいない。
「そんなことされたら、僕の方が泣いてたかも」
「私泣いてないです!」
「目は口ほどにモノを言うんだって。ひさちゃん、本当に可愛いね」
夜で良かった。でもコンビニの明かりでバレているかもしれない。
私の頬も耳も熱かった。