お茶にしましょうか



「な、何の話だ…?」

「とぼけんなよ。深海魚のことだろ?」

「そうそう、深海魚」

「し、深海魚って、言うな…!」



先程までのしんみりした空気は、何処かへと消え去った。

もはや、ノリは女子高校生だ。

何故こうなった。

俺は、この雰囲気についていけない。



「あの子を、傍に置いておかなくていいの?かなり支えられてたんじゃないの?」

「う…確かに、支えてもらったことは、否定しないが…でも…」

「彼女はいいぞー」



部内でも、数少ない彼女持ちの奴が、俺を肘でつつく。

そして、他の奴も続く。

一体、何なんだ、毎度ながら見事なこの連携プレーは。



「江波。お前、告れって!待ってたら、ダメだぞ!」

「いや…でも実はー



俺は2、3ヶ月前に行われた、我が校の文化祭の時に、彼女の口から聞いてしまったのだ。

それは、模擬店の前売り券を萩原さんに渡そう、と思い、彼女が一人で居る教室に入った時のことだった。
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