お茶にしましょうか
あの文化祭の有志ステージの後、あの教室であった、あの出来事を今、目の前に居る、友人兼チームメイトたちに一通り、話し終えた。
「ほぉ?あの子、好きな奴が居るのかよ」
「あ、あぁ…」
これで皆、俺に同情するか、話に飽きて、話題を変えるだろう。
そう思っていた。
「好きな奴ねぇ…」
「うん、俺は思うんだけどさ。てか、それ江波のことでしょ」
「そ、そ、そ、そんなわけ、あるか…!」
「お前、そこははっきりと否定出来んだな」
このように否定をしていても、俺の心情は自惚れようとしている。
報われなくとも、自身の中では、確定してしまいたい。
俺は、彼女に惹かれている、惚れている。
ああ、気づけば、あと数日もすれば、年を越す。
何とも、遣る瀬ない。
今まで共にした仲間たちとも、もう毎日のように居られなくなる日は、もう近い。
俺がやり残したことは、萩原さん以外には、何もないだろうか。
Scene 18 確定の心情