お茶にしましょうか
無理矢理にでも、認めざるをえなかった。
我々の敗北を。
今の今まで強張っていた俺の身は、芯を失くし、その場で膝から崩れ落ちた。
俺の少し先に居る、センターを守っていた同級生のチームメイトが目に入る。
地面に額をこすりつけ、這いつくばっていた。
チームメイトのその姿に、どうしようもなく、胸が締め付けられる想いがしたのだ。
どうしようもなくなった想いから、どうにかしてしまいたいと強く、俺自身の利己心が騒ぐ。
這いつくばったまま、動こうともしない彼に覚束ない足で歩み寄る。
尚も微動だにしない。
正直のところ、彼に声をかけることに気が引けた。
何と言って声をかければいいのか。
それすらも今の状況では、思考回路が機能しない。
そのような俺がとった行動、それが良かったのか、なんてことはもうどうでもよかった。
彼の横で片方の膝をつき、彼の背中にそっと手を添えた。
「……整列だ。整列しよう」
すると、彼はゆっくりと立ち上がり、俯いたままでいた。
「………行こう」
お互いで支え合い、重い足を進めた。