私の名前



電車を乗り継いで水族館に着く。


毎回毎回、手を繋ぐのが当たり前になっている。

このぬくもりを感じることができるのも今日まで。

そこからは本当にあっという間だった。

アーチ形の水槽を見たり、イルカショーを見たり…楽しすぎた。

閉館ギリギリまでいた私たち。

最後にショップへ行った。

「あ、イルカのストラップ…」

すぐに目に入ってきたのはさっきまでイルカショーで大活躍していたイルカのストラップだった。

私のことはすぐに気づいてくれる連夜。

「鈴音、欲しいの?」

…最後くらいおねだりしても罰は当たらないよね?

「欲しい…」

「珍しい…わがまま言えって言っても、言わない鈴音が(笑)わかった、買ってくるな」

私がお願いしたのが相当うれしかったのか、笑顔でレジへと向かっていった。



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