私の名前
…本当に最後なんだ…。
大好きな連夜の姿が…笑顔が…見れなくなる…。
そう思ったとたん視界が涙で歪む。
連夜を引き寄せ背伸びをした。
軽く唇が触れる。
さようなら…。
涙に気付かれないように背を向けて、家の方へと歩き出した。
「…会いに行く。」
言葉を返すことは出来ない。
背を向けたまま手を振った。
涙は頬を伝い、アスファルトを濡らしていく。
「さようなら…連夜」
私の小さなつぶやきは、誰の耳にも届くことは無かった。