私の名前
まぁ、そうだよな。
何しろ今日初めて会ったんだから。
「フフ…また赤いけど?」
「うぅ…意地悪…」
意地悪を言っているのは分かっている。
でも、反応が可愛すぎる鈴音が悪い。
「おーい、連夜!電車乗るぞ!」
チッ。
タイミングよく朔久に呼ばれる。
話をしていて遅れた俺らが悪いが…タイミングが悪すぎる。
後で覚えとけよ…あいつ。
まぁ、いーや。
「わっ!」
何も言わずに鈴音の手を取って歩き出し、電車に乗った。
満員電車で鈴音がつぶされないように窓側に立たせ、庇うように俺が立った。