私の名前


俺の意とは逆に飛行機は飛び立った。

最後にみた鈴音は泣きながらも笑っていた気がした。


「くそっ…」


勝手にあふれ出した涙を拭うこともせずに下を向いた。

さっきからかけている電話はつながらない。

その時、感じたのは凛の時に感じた寂しさではなく

………悲しみと後悔と・・・喪失感だった。



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