いつまでも共に……
そう言うと大きな翼を動かし空に舞う鳥花。
不思議な話し方であるが、幼い頃から鳳舞の側にいる優しい鳥である。
もちろん、琉飛の事もなんだかんだで可愛がっており琉飛とも契約を交わしていたりする。
「嫌な予感ほど当たるもの……でないといけれど」
そう言いながら目を伏せる鳳舞。
襲い来る睡魔に身を任せ、その意識を夢の彼方へと沈めた。
鳳舞が眠ったことを確認して、その体を起こすのは琉飛。
彼もまた、過去を抱えるひとりである。
虎珀一族
飛吹一族と肩を並べ、風の国のために生きている一族である。
彼らもまた、飛吹一族と同じ日に滅ぼされた一族であり琉飛が唯一の生き残りとされている。
彼らが滅ぼされたのは、国への裏切りという疑いによるものだ。
しかし、彼らには他の人々にはない能力があると言われていた。
それが何なのかは、一族にしか知らされておらず長でさえ知らないものである。
こちらもまた、鳳舞と琉飛は誰が滅ぼしたのか……そして、一族に継承される能力とは何なのかを知っている。