いつまでも共に……




その通りだ。と鳳舞は納得する。
言われていることが正論なため何も言い返さない鳳舞。
これがいつもの事なのか、時計を見ながら溜息をつく琉飛。


彼らは忍として訓練を積み、多くの実践を既に踏んでいた。

忍は階級に関わらず今の彼らのように3人1組のチームで動く。
訓練が終了した後に、里の上層部がチーム分けし、基本的には決められたメンバーで任務を遂行するのだ。

しかし、このチームは少し違う。

3人とも誰かと組むことをあまり好まず、彼らはそれぞれに1人で任務をこなしていた。

上層部も、はじめこそ注意をしていたが彼らはその言葉に耳を貸すことはなかった。

今回の任務も元々は琉飛1人で行う予定であったものだ。
それなのにも関わらず、こうして3人で任務にあたることになった理由が……



「そもそも!
今回は鳳舞が嫌な予感がするって言うから3人で行くことにしたんだからね!?」



そう。
鳳舞が言い出したことだったのだ。

チーム制度ということもあり、彼らは自分がどんな任務に行くのかということだけは互いに報告しあっていた。

だからといって一緒に行くことはない。
協力が必要であれば声を掛けることはあるが、そのような事もほとんど無かった。

一緒に行きたいと言うこともほとんど……いや、全く無かったのだ。
つい先日、琉飛が今回の任務を鳳舞たちに告げるまでは。



「一緒に行くとは言ってない……」



そう言うと小さく欠伸をする鳳舞。

それもそうだ。
鳳舞は“嫌な予感がする”とは言ったものの“嫌な予感がするから一緒に行こう”とは言っていないのだから。

鳳舞たちは訓練を積んでいる時からそれなりに一緒にいる。


< 6 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop