いつまでも共に……
そのため、滅多なことがない限りチームとして動かない癖に同期の中ではダントツに連携が取れたメンバーなのだ。
そのチームワークの良さは彼らの師匠や里の上層部、また彼らがそれなりに経験を積むことが出来るまで側で補助をしてくれていた上司も息を呑む程だ。
「あーもう!
あー言えばこー言うんだから!」
「……そこまで。
そろそろ行くぞ」
何を考えているか分からない無表情のまま、やはり呆れたように言う琉飛。
彼は口には出さないが鳳舞と同じく今回の任務は嫌な予感がしていた。
チームとして動くことは予想外ではあったものの、琉飛は鳳舞の力を借りようかと思案していたのだ。
琳埜が戦闘が苦手という訳ではない。
だが、どちらかと言えば後方支援が上手く、医療にも精通しているため先陣を切ったり敵に突撃することはしない。
琉飛と鳳舞が琳埜を守りながら切り込み、琳埜は2人の補助をするというのが彼らのやり方だった。
そのため、琉飛が任務のために力を借りようとするのは気兼ねなく切り込みに行ける鳳舞であったし、その逆も然りであった。
ちなみに琳埜が受ける任務は基本的に一人で出来るものしか無かったので、今まで琳埜が援助を求めることはなかった。
最も、鳳舞の実力は里の中でも飛び抜けており援助を頼まれてついて行ったとしても“自分は必要だったのか”と軽く自己嫌悪に陥ってしまうらしいが。
「……そうだね。
早く行こうかー!」
「……ん」
ようやく歩き出した彼ら。
里を出る門で警備をしていた忍2人は鳳舞たちのチームが3人揃っている事に目を見開く。
「3人揃ってるなんて珍しいな」
「任務が重なったのか?」
「今回は一緒に行くのー!」
「「!?」」
あまりの驚きに声が出ないとはこの事なのか、固まる門番。