完璧秘書の可愛い弱点
ー零ー

「誰だ?」

『藤堂です』

「...入れ」

藤堂はいつも通り予定を伝え、社長室を出ようとした

『うっ...!?』

すると、藤堂の体が傾き、鈍い音が聞こえた

「と、藤堂..!?おい、藤堂!大丈夫か!?」

『あ...だい、じょ...ぶです』

「んなわけねぇだろ!?」

『ほ...とにっ...大丈夫、で...』

「おい、藤堂!?」

藤堂を揺すっても反応がない

そっと額に手を当てるととてつもなく熱かった

「無理すんなよ...」

さすがに無断で会社を出るわけにもいけねぇし...

なら...

「もしもし親父?」

「ちょっと野暮用で家行っていいか?」

「サンキュ。んじゃ、切るわ」

親父からの了承も得たし、藤堂を連れ...って明らかにおかしい構図だな

傍から見れば寝ているように見える秘書を抱えて歩く社長

...だがそんなことを気にしている暇はない

俺はなんとも複雑な視線をたくさん浴びつつ、歩き続けた

そして、車に乗せ家へ向かった


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