完璧秘書の可愛い弱点
『あ、あの...社長、私、もう大丈夫ですから家に...』

泊まるわけにもいかないし..

「...分かった」

あれ?意外と素直ね...?

それから社長は車で私の家まで送ってくれた

『今日は何かとお世話になりました、社長。では、私はこれで』

と、言い車から出ようとすると...

『しゃ、社長?』

なぜか社長まで車から降りたのだ

「なんだ?」

『い、いやいや社長は社長の家に...』

「何を言っているんだ?...あ、藤堂、今日は世話になる」

『は?え、ど、どういうことですか?』

何を言っているんだはこっちの台詞なんだけど...

「俺は病人を一人にさせない優しい人間だからな」

『あ、そこ自分で言うんですね...って、そうじゃなくて!』

私は、ふと浮かんだ予想を頭の中で否定しつつ口に出す

『ま、まさか社長、私の部屋に泊まるつもりなんですか...?』

どうか...どうか違うと言って!

社長がこんなに頭のネジがぶっ飛んでるわけないって笑ってよ、神様...

だがそんな願いは一瞬で吹き飛んだ

「当たり前だろう?藤堂は一人にさせるととことん無茶しそうだからな」

...確かに熱があっても今まで普通に過ごしてきたけど

「とにかく、今日は泊まる。これは決定事項だ」

...神様は私を見捨てたようね...
< 32 / 48 >

この作品をシェア

pagetop