完璧秘書の可愛い弱点
あ、シャーペン渡せなかった

会食と出張の間は少し時間があるから、その時にしよう

コンコンッ

「藤堂です」

『入っていいぞ』

「今日の出張について説明します」

藤堂はもう冷静になっていた

「訪れる場所は村田建設で、村田社長から話があるとか」

『話?話とはなんだ?』

「ここ最近、内部のデータが書き換えられたり、盗まれたりされているとのこと」

『だから急激に売上が下がったのか』

「はい」

『なぁ、これ藤堂のシャーペンか?』

「はい、どこでこれを...?」

『この部屋の床に落ちてたぞ』

「ありがとうございます。では、私はこれで」

そう言って藤堂は社長室から出た

...何故だ?

シャーペンを渡したときに手が触れた

ただ...それだけ

なのに、触れた部分が熱い...

何故だ?

俺は謎の熱に顔をしかめながら、仕事を再開した
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