Contrary






「この学校に通ってる暴走族の幹部メンバーなんだよ!」
「希掠って暴走族の次に強い?すごい?ところなんだって!」

「そうなんだ……」

「ほら、お前ら。
次の場所行くぞ。」

「「はーい!」」

「あ、うん。」



響葵の声に止めていた足を進める。
だからといって気がついていなかったわけじゃないよ。

暴走族、希掠。

この言葉を聞いた妃海ちゃんの表情が陰ったこと。
でもね、僕達はそれをいちいち気にしてあげたり聞いてあげるほど優しくないの。

それに、妃海ちゃんはきっと“逃げてきた”んでしょ?

今も未練がましく思ってるなんて意味わからないし、“皆のために”って自分を殺すふりをして居場所を捨てた偽善者の気持ちを汲んであげるなんて有り得ない。

だって僕達…………






「「「偽善者なんて大嫌い」」」






なんだから。




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