Contrary
紫義と葉由の言葉に頷く、侑蘭と涼稀、露衣。
その言葉にレキはフッと笑う。
「……ありがとな」
そう小さく呟くと止めていた足を動かした。
路地の奥にではなく、光り輝く街への道を。
白鷺にはそれが、しっかり前に進むという決意のように感じた。
「大きくなったわね」
「ずっと子どもだと思ってたよー」
「俺らもそんな歳変わらねぇけどな」
「……よかった」
「きっと強くなったんだよ」
優しい眼差しが、その姿が見えなくなるまでレキを見つめていた。