Contrary





「Tenebraeだな」


後ろからかけられた声。
一体どうして俺がTenebraeだって分かったんだか……

まさかフードを深く被ってるやつを片っ端からTenebraeとして炙り出しているなんてことは無いよな……?


『だったらどうなんだ?風華』


仮にそうだったらその程度の族だってことなんだが……

アオが風華を餌にしようとしているってレキから聞いた時は肝が冷えた。

あいつは何をしでかすつもりなんだ……ってな。


「何故族潰しなんかしている?
それも見境なくやってるらしいじゃねぇか」

『見境なく……?
そんな訳ねぇだろ。
関係ないやつを襲うほど暇じゃねぇ』


風華に背を向けたまま答える。

そうだ。
俺達は族の間では見境なく族潰しをしているかのように言われているが、そんなことは無い。

俺が調べに調べて、レキが裏をとって初めて手を出すんだ。

俺達が潰した相手は必ず裏で何かをしている。
組の片棒を担がされて薬漬けになったやつ、裏で後暗い商売をしているやつ……様々だ。

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