Contrary




俺達、Tenebraeにトップという概念は存在しない。
しかしどの組織にもまとめ役は必要だ。

Tenebraeをまとめているのは実質レキだ。
なんだかんだで周りを見て動けるやつだしな。

あいつがいた時も、さり気なく正しい方へと誘導していたしな。


「何を考えている?」

『特に何も?』


総長様はどうしても俺達を悪役にしたいらしいな。

……そう思っていた時、副総長である埜間悠葵が1歩前へ踏み出した。

総長様も他の幹部もその行動に驚いたように彼を見る。


「俺はあんたが何を考えているか分からない。
こんなメールを送ってきてどういうつもりですか?」

『……?
それは俺がやったわけじゃねぇよ』


恐らく総長様の携帯であろうものを見せながら問いかけてくる悠葵。

この間、レキとアオが険悪だったのはこれが原因か。
あの2人が喧嘩なんて珍しいと思ってたんだよな……


「あなたではないことくらい分かっています。
このアドレスが誰のものかも……

そして、貴方が誰なのかも」


< 116 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop