Contrary


「面白い情報を手に入れたって」

『面白い情報?』


そう言うと何処から取り出したのか煙草をくわえる片割れ。

火をつけるより早く僕はそのタバコを取り上げる。


「ちょっと……」


不服そうな声をもらす片割れ。
だけど、これは譲れない。


『タバコは辞めるって約束した!』

「……覚えてたか」

『当たり前でしょ!
それより、面白い情報って?』

「それがさぁ?
黒炎がまた動き出してるんだってさ」

『……へぇ。
これは面白いね。

詳しく聞かせてよ』

「勿論」


ニヤリと笑う片割れ。


「次のターゲットは風華らしい」

『風華……?希掠じゃないの?』


トップに成り上がるために人ひとり殺す原因を作って白鷺を潰した黒炎。

僕達がTenebraeとして動きだした時から、誰が決めてるかも分からない族の順位を調べてきた。

いつの間にか黒炎はNo.3まで上り詰めていた。

それなのにNo.1の希掠ではなく、風華を狙う?
どうして……?

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