Contrary
じゃあなんで僕達を産んだのかって話なんだけど、何かあった時の保険なんだろうね。
ちなみに、上の二人は本家でかなり厳しい英才教育を受けてるって大分前に聞いた気がする。
自分と血が繋がってると思いたくないくらい、ほんとくだらない。
ただ、それぞれの親から毎月かなりの金額が振り込まれてくるから生活には困らないし自由だから、気にしない。
むしろ、有難いと思うよ。
無駄な柵もなく、片割れと平和に楽しく暮らせているんだから。
親なんてなくても普通に生きてこれてるしね。
まあ、ある程度の大きさになるまでは親戚の人が嫌そうにしながらも面倒見てくれてたけど。
「鈴桜ー、おはよー。」
「おはよう。ご飯食べるでしょ?」
「うん、食べるー。今日は何?」
「フレンチトースト」
「やったー
鈴桜が作るの好きなんだよねー」
ふにゃふにゃと笑う史桜は昔はニコリともしなかった。
それはきっと僕にも言えることなんだろうけど、今みたいに割り切る前はどうして捨てられたのか……なんて馬鹿みたいなこと考えてた。
「さ、食べよ」
「はーい」
ちゃんと手を合わせて食べ始める史桜。
僕も手を合わせて食べる。
美味しそうに頬張る史桜を見るのは好き。
自分が作ったものをここまで美味しそうに食べてくれるのは嫌な気はしない。