Contrary
青嵐高校(せいらんこうこう)
この辺りではトップレベルで頭がいいと評判の学校。
それと同時に不良校としても名前が知られている。
不良と言っても校舎は綺麗でケンカが頻発しているわけでもない。
ただ、全国No.2の暴走族である風華(ふうか)メンバーの殆どがこの学校に通っているというだけなのだが。
もちろん、暴走族に入っていない生徒も少数ではあるもののいる。
その少数の生徒のうち1人が僕。
あと僕の片割れと幼馴染み2人。
あれ……意外と多い?
まあ、その辺はどうでもいいんだけどね。
いつもチャイムが鳴っても静かになることがないこのクラス。
けど、今日は珍しく静まり返っていた。
“転入生が来る”
朝からその話題でもちきりだった。
それも共学であるにもかかわらず、女生徒が1割しかいないというこの学校に、女子が来るという噂が広がったから尚更。
後ろの席で爆睡している片割れの隣の席が空いている。
昨日まではなかったその席はおそらく転入生のものだろう。
そんなことを考えていた。
その時、ガラッと音をたてて入ってくる担任を見て一瞬眉を顰める。
一番に思ったこと。
それは、“どうしてそんなにご機嫌なんだ”ってことだった。