Contrary



笑顔一つない二人。
誰もこの様子に気が付かない。

……いや、気がついている人物が一人。



「双子。やめなさい。」



ガンっ!という音が2発。



「「いったーーーーい!!!!
何すんのさ!!!」」

「やめろって言ってんだろ?」

「「…………ごめんなさい」」



一番怖いのは響葵くんか。
一瞬で二人の空気が変わった。

ただ、鈴桜くんと史桜くんは私を視界に入れなくなった。

響葵くんから二人に視線を戻したが、もう二人はいなかった。



「あんたさ」

「……?」

「あいつらの傷深めるのやめてくんない?
本当に迷惑だしうざい。」



無表情で先程の二人より冷たい雰囲気。



「嘘で塗り固められたあんたに、俺の大事な幼馴染を壊されるわけにはいかねぇんだよ」



いつもの柔らかい雰囲気とは違い、射抜くような視線。

嘘……。
確かに私には誰にも言えない……言っちゃいけない秘密があってそれを隠すために嘘をついていることもある。

だけど、どうしてそれを響葵くんが知っているの?


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