Contrary



「妃海ってクラスでは誰と一緒にいるの?」

「へ?」

「だって、私たちとはクラス違うじゃない?
風華の子たちといる訳でもなさそうだし……」

「たまに喋る子ならいるけど、まだ転校して間もないからいつも一緒の子なんて流石に出来ないよ」



それがどうしたの?と首を傾げる妃海に対し、粃は何かを考えている様子。

悠葵も粃と同じような表情をしていることから、悠葵は悠葵で何か考えているのだろう。



「その友達が危険に巻き込まれるって可能性はないの?」

「……可能性はゼロではないと思うよ」

「じゃあ、その子達にも護衛つけた方がいいんじゃない?」



粃の提案に俺も賛成だった。
青嵐に通っているのは殆どが風華の人間だ。

ただ、族に入っていない生徒もいる。
そういった生徒を俺達の事情で巻き込んで怪我をさせるわけにはいかないんだ。

妃海が会話をした奴が風華なら妃海は相手が風華の人間だと言うだろうから、族とは関係の無い生徒で間違いないだろう。



「妃海ちゃんって、何組だっけ?」

「Aだよ」

「A……って事は妃海ちゃんが話したことのある、族とは無関係の生徒っていうのは予想がつくかな」



苦笑いをしながらそう言う悠葵。
悠葵は炉亜にチラリと視線を向けると、珍しく炉亜は不機嫌そうな表情だった。


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