Contrary



「あの子達にもきっとなにか覚悟があるわ」

「粃……二人と知り合いなの?」

「さぁ。
妃海の考えに任せるわ」

「私の考え……」



悶々と悩み始めた妃海を見て、彼女に気が付かれないようにため息をつく。

早く絆たち来ないかしら。

天然というか、無神経というか……とにかくこの子と2人きりだと疲れて仕方ないわ。

そんなことを考えていると私の心を読んだかのように絆たちが部屋に入ってきた。



「何の話してるんだ?」

「ん?双子の噂についてよ」

「双子……あぁ、新田のことか」



絆は納得したように呟く。

絆の後ろには悠葵たちもいるけど、みんなの様子から見るとこのまま帰るみたいね。

そう思って帰る用意をする。

……といってもカバンを持つだけ。



「妃海も帰るわよ」

「え、あ……うん!」



バタバタと帰り支度をする妃海。

妃海のことを家まで送り届けたら、一日が終わる。

私?
私は一人で帰るわよ。

わざわざ護衛してもらうほど弱くはない。


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