Contrary
「四人組……しかも黒の服を着ているのかな?」
悠葵が目を細めて見ながら呟く。
夜に黒い服を着ているから見えにくいのね。
「確かめてみるか」
絆のその言葉に車から降りる皆。
私は車の中で待機……なんてするわけもなく、絆達について行く。
絆たちは予想していたのか何も言わない。
良くいえば優しいけど悪くいえば甘いわよね。
「おい」
四人組が足を止める。
そのうちの一人が振り返る。
前髪が長くてフードも深く被っているために顔は見えない。
「お前達、Tenebraeか」
絆は彼らがTenebraeだと確信しているらしい。
「…………だったら?」
「何故、暴走族を潰している」
「……関係、ある?」
少し高い声。
でも、女の子……という程ではない。
この声はどこかで聞いたことがある。
だけど思い出せない。
「レキ」
「……何」
絆と会話していた彼……レキはこちらに顔を向けることなく自分の名前を呼んだ仲間の方を見る。