Contrary
「あんな馬鹿。
もう出会うことはないと思うんだ」
「うん」
「だからこそ俺はその馬鹿を奪ったことは許せない。
そこにどんな理由があったとしても
だから、これは俺のわがままなんだけど……」
「なに?」
「もう少しだけ“双子でいさせて”」
史桜にどんな考えがあるのかは分からない。
それでも、そのわがままに首を縦に振ったのは僕だ。
その日の夕食は無意識に此花の好きなものが集まっていた。
何を食べても……とても懐かしい味がした