Contrary



珍しく舞夜が突っかかった。
舞夜はこの族の情報担当。

悠葵もパソコンができるが、それでも舞夜の腕にはかなわない。

だからこそ、情報が何一つないことに知らず知らずのうちにイライラしてたのかもしれねぇな。



「分かってくれたらいいよ。
それにしても舞夜よりパソコンができる人……なんていないよね?」

「……………………いるよ」

「炉亜?」



ものすごく嫌そうな顔をしている炉亜。
粃が不思議そうな顔をしながら炉亜の頭を撫でている。



「炉亜、それってもしかして……」

「うん。
あいつなら……たぶん舞夜より出来ると思う」

「仮にそうだとしても、協力してくれるとは思えないけど……」

「あいつって誰のこと?」



響葵と炉亜が話しているあいつが誰なのか分からない。

2人の共通の友人なんだろうが、こいつらが俺ら以外といるのはほとんど見ないから検討もつかないんだ。

この疑問を思ったのは俺だけじゃないらしく、舞夜が代表するかのように2人の会話を遮る。



「炉亜のお兄さん……炉宮さんだよ」

「あいつ……パソコンの腕は何故かいいし、その上に情報網すごいから」

「だからといって、炉宮さんが舞夜より腕がいいかなんて分からないでしょ?」

「そうだけど……」



炉亜の兄貴というと俺と同じ学年だったよな……?


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